家庭菜園を始めてみたけれど、『なんだか作物の成長が遅い』『葉っぱが変色してきた』『突然枯れた』と感じたことはありませんか?これらの問題は、もしかすると「連作障害」によるものかもしれません。連作障害は、同じ場所で同じ作物を繰り返し育てることで起こる障害です。初心者の方には、この障害がどのような症状を引き起こすのか、どうすれば予防できるのかが『わかりにくい』かもしれません。このブログでは、土壌病害、線虫害、生理障害など、連作障害の具体的な症状と、その予防法について詳しく解説します。家庭菜園を楽しく続けるために、ぜひ参考にしてください!
目次
- 連作障害とは
- 連作障害の定義
- 連作障害が起こる原因
- 連作障害の具体的な症状
- 土壌病害
- 主要な土壌病害の種類と症状
- 線虫害
- 線虫害の見分け方
- 生理障害
- 生理障害の原因と症状
- 土壌病害
- 連作障害の予防法
- 輪作
- 土壌改良
- 有機質の導入
- 土壌消毒
- 抵抗性品種の導入
- まとめ
連作障害とは
- 連作障害の定義
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連作障害とは、同じ場所で同じ野菜(科)を繰り返し育てることで、土壌が疲弊し、作物の生育が悪化する現象です。連作障害は、土壌の栄養バランスの乱れや病害虫の発生によって引き起こされます。
- 連作障害が起こる原因
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連作障害の主な原因は、【特定の養分の欠乏や過剰】【病原菌の増加】【線虫や他の害虫の繁殖】があります。
連作障害の具体的な症状
土壌病害
土壌には数多くの微生物が生息しており、その中には病気を引き起こす病原菌も含まれています。
植物は根から有機酸、糖、アミノ酸などを分泌し、これが微生物の栄養源となります。同じ科の植物を続けて栽培すると、これらの分泌物に集まる微生物の種類が偏ります。
その結果、特定の病原菌が増殖しやすくなり、土壌病害が発生しやすくなります。
- 主要な土壌病害の種類と症状
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野菜名 障害 症状 トマト 青枯れ病
萎凋病青枯れ病:青みを残したまま枯れてしまいます。
萎凋病:下葉から黄化・萎縮し、しおれて枯れます。ナス 青枯れ病 青枯れ病:青みを残したまま枯れてしまいます。 きゅうり・スイカ・メロン つる割れ病 つる割れ病:ツルや茎が縦に割れて黄褐色に変色 ピーマン 立枯性疫病 下葉から黄化し、株全体が枯れます。
根は腐敗します。コマツナ・白菜・キャベツ 根コブ病 茎葉がしおれたり枯れたりする
根に大、小様々なコブができる。
線虫害
センチュウ(線虫)は線形動物の総称で、土の中ならどこにでも棲んでいる微小な生物です。植物寄生型のセンチュウは、口針で野菜の根に穴をあけて中に侵入し、生育を阻害します。これにより根が寄生されると、草丈の短小、葉色の減退・しおれ、枯れるなどの症状が現れ、成長が遅くなったり収穫量が減少したりします。症状は地下部に出るため早期発見が難しく、蔓延しやすいのが特徴です。被害の症状はセンチュウの種類によって異なり、それぞれに特徴があります。多くの種類のセンチュウが存在しますが、作物に大きな被害を与える代表的なセンチュウとしては、ネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、シストセンチュウが挙げられます。
- 線虫害の見分け方
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- ネコブセンチュウ・・・根に無数の小さな腫れができている
- ネグサレセンチュウ・・・根が腐って細い根がなくなっている
- シストセンチュウ・・・根に卵が詰まった小さくて硬い袋(シスト)が付着している
生理障害
野菜の成長中には、肥料のバランス、pHや天気、農薬の影響で「生理障害」が起きることがあります。特に、土の中の養分が足りないと「栄養障害」が起こりやすく、「要素欠乏症状」がよく見られます。連作を続けると特定の養分が多すぎたり少なすぎたりして、生理障害が増えたり、野菜が病気や虫に弱くなったりします。
連作障害の予防法の具体策
- ・輪作
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輪作とは、異なる野菜(科)を順番に育てる方法です。これにより、土壌の疲弊を防ぎ、連作障害を軽減することができます。次に同じ作物を植えるまでにあけるべき期間があり、「輪作年限」と言います。
休ませる年数 野菜の種類 1年間以上 とうもろこし いちご ほうれん草 レタス キャベツ ネギ 他 2年間以上 きゅうり オクラ 白菜 玉ねぎ 他 3年間以上 ピーマン トマト インゲン ジャガイモ 他 4年以上 ナス ソラマメ えんどう 他 連作障害の少ない野菜 かぼちゃ さつまいも 大根 にんじん ズッキーニ 他 休栽が必要な野菜とその年数 - ・つぎ木苗を植える
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つぎ木苗を利用することで、土壌条件や環境変化に強い野菜を育てることができ、生理障害のリスクを大幅に減らすことができ、より安定した収穫を目指すことができます。
- ・天地返しをする
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天地返しは、土壌を深く掘り起こし、上下を逆にすることで、土壌の構造や成分を均一にする作業です。
- ・有機質の導入
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有機質肥料を土壌に導入することで、土壌の微生物活動が活発になり、連作障害を防ぐ効果があります。
- ・土壌消毒
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土壌消毒は、土壌中の病原菌や害虫を減少させる方法です。化学薬品や畑の表面にビニールを張り、熱で土を消毒する方法があります。
- ・抵抗性品種の導入
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抵抗性品種を選ぶことで、連作障害のリスクを減少させることができます。
まとめ
家庭菜園を楽しむには、連作障害の予防が大切です。土壌の栄養バランスや病害虫の管理が不十分だと連作障害が起きやすくなりますが、この記事で紹介した予防策を試せば、リスクを減らせます。輪作や有機質肥料、土壌消毒を取り入れて、健康な土壌を保ちましょう。